ドライフラワーは、水換えの手間がなく店舗や自宅のディスプレイやインテリア感覚で飾るにも手軽なものです。
切り花を飾るのも良いですが、購入する際はドライフラワーにできることも考えてお花を選んでおけば、より長くお花を楽しむことができますね。
今回は、ドライフラワーにしやすいお花にスポットを当てて解説していきます。ドライフラワーづくりの条件やつくりやすい時期についてもまとめたので、ぜひチェックしてみてください。
ドライフラワーとは?ドライフラワーになる花の条件
ドライフラワーは、花・茎・葉・果実などを乾燥させて装飾などに使う花のことをいいます。
17世紀ごろの北部ヨーロッパで始まった文化とされ、花のない時期に室内装飾のために、花の開花時期に集めて乾燥させていたと言われています。
しかし、すべての花がドライフラワーに向いているというわけではなく、向き・不向きがあります。
はじめにドライフラワーになる花の条件からチェックしていきましょう。
水分量が少なく、花びらが厚い花
ドライフラワーにしやすい花の条件として挙げられるのが、花そのものの水分量が少ないことです。
花を乾燥させて作るため花の水分量は仕上がりに影響するからです。水分量が少ない方が早く乾燥するので、途中で腐らせたりしわになったりすることなくドライフラワーにすることができます。
また、花びらの厚みもポイントで、花びらが厚くしっかりしている方が乾燥後の形状を維持しやすい傾向があります。
花びらが薄い場合、乾燥する過程で花びらがぽろぽろ落ちたり、崩れてしまったりとうまく仕上がらないことが多いです。
なので、例えばスターチスのような水分量が少ない花や、バラのように花びらに厚みがあるものがおすすめです。
次は、ドライフラワーづくりに適した時期をチェックしていきます。
ドライフラワーが作りやすい時期
ドライフラワーを自然乾燥でつくるなら、夏以外の季節がおすすめです。ドライフラワーづくりには、乾燥した風があると乾燥しやすいため、晴れが続き湿度の少ない時期が適しています。
そのため、梅雨時期、湿気の多い夏、台風の時期を避けることがポイントです。
ドライフラワーをつくってみたい方は、おすすめのお花を次で紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。
ドライフラワーになるお花おすすめ38選!
ドライフラワーになるお花をピックアップして、38種類まとめてみました。
部屋の装飾としてはもちろん、お気に入りのドライフラワーをつくる際にも活用してくださいね。
バラ
バラはキレイな状態でドライフラワーにできる花の定番で、はじめてドライフラワーをつくる方にもおすすめです。
品種も豊富で年間を通して店頭に並ぶのもおすすめポイントです。
アジサイ
アジサイはドライフラワーにしてもボリューム感を失わず、アンティーク調の雰囲気を演出します。
一輪でも複数組み合わせても存在感あるドライフラワーができますよ。
カスミソウ
カスミソウは、花が小さく乾燥しやすいのでドライフラワーに向いています。
生花の状態とほぼ変わらない姿を保てることや、ほかの花との相性が良いのでドライフラワーの組み合わせにも活躍します。
ユーカリ
ユーカリは、水分が抜けやすくドライフラワーにしても形状を保てることが特徴です。
フレッシュな状態からドライにすれば、香りも楽しめる1度で2度美味しい魅力も持っています。
ルスカス
切り花にグリーンをプラスするルスカスは、葉がしっかりしているのでドライフラワーに向いています。
同じグリーン系のドライフラワーと組み合わせるとセンスアップしますよ。
ヒペリカム
普段は「実もの」としてアクセントに使われるヒペリカムは、赤や白でも実の部分が黒っぽくなります。
飾る際のアクセントになるほか、どちらかというと渋めの印象を与えます。
スターチス
生花のときから水分量が少ないスターチスは短時間かつ生花と変わらず美しい状態でドライフラワーになります。
近年ではカラーバリエーションが豊富なのも魅力と言えるでしょう。
シャクヤク
シャクヤクは、生花のときに比べて豪華さはダウンするものの、花びらの色味が残りやすい花です。
開花した状態なら花びら間の風通しも良く、花びらが落ちにくいので扱いやすいでしょう。
ケイトウ
ケイトウは、乾燥させても花の色が残りやすく、色や咲き方の種類が豊富にある花です。独特な花のヨレ具合もアクセントになります。
ただ、花同士が触れるとカビが発生しやすいので注意が必要です。
ビオラ
ビオラは、ドライフラワーにしても花のグラデーションが美しく、花の部分だけをドライフラワーにして瓶詰すると、とても良いインテリアになります。
ドライ後は衝撃に弱くなるのでその点は注意してくださいね。
アナベル
アナベルは、水分量が少なくふんわりした丸みのある花です。花や茎により水分が少なくなる秋ごろ収穫したものがドライフラワーに向いています。
花瓶・瓶詰はもちろんハーバリウムにもおすすめです。
ミナヅキ
ミナヅキは、別名をピラミッドオアジサイといい、三角帽子のような形がチャーミングな花です。
花が秋色ピンクに染まったものがドライフラワーにおすすめです。
エリンジウム
エリンジウムは、生花のときからカサカサした質感の花で爽やかな青色と個性的な花の形が特徴です。
ドライフラワーにした後も色が残り、花丈があるのでさまざまな飾り方ができます。
ミモザ
黄色の小さな花が特徴のミモザは、ドライフラワーの中でも人気の種類です。自然乾燥させるときはたっぷりのミモザを使う方が美しい印象になります。
ドライのミモザはリースづくりにも欠かせないアイテムですね。
エリカ
襟かは小さなお花がだんご状に咲く花で、ドライフラワーにしても生花との色の差が少ないことが特徴です。
近年では切り花としても店頭に並んでいるので入手しやすくなりました。
アーティーチョーク
独特なフォルムのアーティーチョークは、つぼみの状態は丸みがあり中心が割れて花が咲きます。
花が開花する前の方が個性的。つぼみの状態をドライフラワーにするのも良いでしょう。
オレガノ
スパイスでおなじみのオレガノは、つぼみのときは小豆色、開花すると淡いピンク色が可愛い花です。
つぼみの状態と開花後のどちらをドライフラワーにしても楽しむことができます。
ヤロウ
豊富な種類があるヤロウは、小さな花が集まった状態で開花します。葉の形から別名ノコギリソウとも呼ばれます。
草丈がありアレンジしやすく、ドライフラワーにしても色がきれいに残るのもおすすめポイントです。
ローズマリー
ハーブとして人気のローズマリーは、種類が豊富で白っぽい小さな花を咲かせます。葉や茎が個性的なのでドライフラワーにしてもアクセントになります。
リースに使うなら、予め整形して乾燥させると扱いやすいです。
モナルダ
モナルダは、開花期間が長く切り花としても流通しています。ドライフラワーにするなら咲き始めの状態を乾燥させるのがコツです。
最近は改良が進みカラーが豊富にあるのも魅力の1つですね。
ニゲラ
花と葉が独特なフォルムのニゲラは、小さくとも存在感バツグン。花のように見える部分はガク弁で本来の花は退化して目立ちません。
ガク弁の部分はもちろん、散った後の風船状の種もドライフラワーに向いています。
帝王貝細工
帝王貝細工は、色鮮やかで豊富な花びらを持ち、水分量が少なくドライフラワーにおすすめのお花です。
生花のときからカサカサした触り心地の花なので短期間でドライフラワーになります。
ステルンクーゲル
ステルンクーゲルは、スカビイオサの花の実でボール状のかわいい形が特徴です。細い茎の先端にあり、水分量が少ない状態なので簡単にドライフラワーにできます。
バンクシャー
バンクシャーはさまざまな種類があり、カラフルなたわしのような花穂を持つことが特徴です。
1輪でもインパクト十分、切り花として流通しているのでドライフラワーにしやすいでしょう。
リューカデンドロン
リューカデンドロンは、品種が豊富で日持ちが良い植物です。花やつぼみが変形した葉(苞葉)に包まれていて、苞葉が色づいたところを楽しむことができます。
乾燥する過程で見た目が変化するのも楽しめるでしょう。
プロテア
プロテアは、小輪から大輪まで種類が豊富、1本の枝に1輪咲くように見えて数多くの花が集まっている状態です。
存在感バツグンなほか簡単にドライフラワーにできます。
ラベンダー
淡い紫色と癒し系の香りが特徴のラベンダーは、古くからドライフラワーとして人気があります。
多めに束ねて飾って癒されるのも魅力と言えるでしょう。
ヤグルマギク
初夏に咲くヤグルマギクは、ドライフラワーにしてもキレイな青色が残る花です。
ヤグルマギクの花びらはフレーバーティーやポプリなどにも使われるほど香りも良いことが特徴です。
コットンフラワー
枝物として人気のコットンフラワーは、リースやアレンジにもおすすめの花です。
ドライフラワーにしても長持ちするほか、見た目の優しい印象が寒い時期の癒しになります。
花かんざし
苗ものとして流通する花かんざしは、生花の状態でも水分が少なくドライフラワーに向いている花です。
花の咲き始めにドライするのがおすすめで、ブーケやリースにも使いやすいです。
クラスペディア
クラスペディアは、ボール状の小さな花が1本の茎の先端に咲きます。
葉のない状態で流通し、切り花としてはもちろん、早めに乾燥させればドライフラワーにも向いています。
マリーゴールド
マリーゴールドは黄色やオレンジなど明るい色の花びらを持ち、クシュっとした花が特徴です。
花びらの付け根がしっかりしているのでドライフラワーにしても形状をキープしやすいでしょう。
千日紅
千日紅は、真夏の暑さにも耐える丈夫さと濃いピンク色の花が特徴で、切り花や鉢植えで流通しています。
水分が少ないカサカサした状態の花なので、簡単にドライフラワーにできますよ。
ヘリクリサム
ヘリクリサムは、ピンクや黄色の花を持つものからシルバーリーフなど多くの種類があり見た目もそれぞれ異なることが特徴です。
花があるものは全体に水分が少ないのでドライフラワーにしやすいでしょう。
スモークツリー
スモークツリーは、小さな花の後に細かい糸状の毛を生やすことが特徴で、ふわっと丸みがある状態になります。
糸状の毛が生えた状態は水分が少ないため、ドライフラワーや室内装飾におすすめです。
ドライアンドラ
ドライアンドラは、ギザギザした葉と丸みを帯びた大きめの花が特徴です。
目にも鮮やかなオレンジや黄色の花は、水分が少なくドライフラワーにしても色が残りやすいのでおすすめです。
スイートピー
甘い香りとひらひらした花びらが特徴のスイートピーは、花びらが薄くドライに向かないように見えますが色が残りやすくキレイに仕上がります。
淡い色味もそのまま残せるほか、優しい雰囲気を演出できますよ。
リンドウ
紫やピンクなどの花を咲かせるリンドウは、ドライフラワーにしても色がしっかり残ることが特徴です。
花が密集しているところは茶色くなりやすいので、なるべく濃いめの色を選ぶと良いでしょう。
ドライフラワーにしにくい花の条件
ドライフラワーに向く花がある一方で、ドライフラワーにしにくい花も存在します。
今後、ドライフラワーライフを楽しむためにも、ドライフラワーにしにくい花の条件を見ていきましょう。
水分量が多く、花びらが薄い花は、乾燥しにくいだけでなく乾燥したときに花びらが壊れやすい傾向があります。
そのため綺麗にドライフラワーになりにくく、乾燥途中でカビが生えたり腐ったりする可能性もあるでしょう。
水分量が多い花は見た目にもわかりにくいので、ドライフラワーに向かない花の種類を紹介していきます。
今後の参考にしてくださいね。
ドライフラワーに向かない花の種類
- 菊
- ガーベラ
- ユリ
- ひまわり
- ラナンキュラス
- 水仙
- 桜
菊・ガーベラ・ユリ・ひまわり・ラナンキュラス・水仙などは水分量が多く、桜は花びらが薄いためにドライフラワーには向きません。
各花の中には種類によってはドライフラワーにできる仲間もありますが、代表的な種類の範囲ではドライフラワーに向かないことを覚えておきましょう。
自分でドライフラワーを作る方法
ドライフラワーを作るにはいくつか方法がありますが、その中でも自宅で手軽に作れる方法を紹介します。
お花1本からでもチャレンジできるのでぜひ試してみてくださいね。
花を用意する
はじめにドライフラワーにしたいお花を用意します。ドライフラワーに向いている花を選び、飾るときのことを考えたボリュームで用意しましょう。
また、同時に剪定用のハサミ、ドライフラワーを束ねるためのゴムやつるすための紐、装飾用のリボンなども用意しておくと作業がスムーズになりますよ。
適度な長さに切る
ドライフラワーにするお花の茎を適度な長さに切り揃えます。好みの長さでも良いし、飾る場所に合わせてもOKです。
生花店で購入したお花ならそのまま使っても問題ありませんが、水に浸っていた部分は水分が多く傷みやすいのでその部分はカットしておきましょう。
紐で束ねる
長さを決めたら茎に合わせてまとめ、茎の下の方を輪ゴムや紐でくくります。
早く乾燥させたいときは一本ずつくくって吊るすのが基本となりますが、茎が細いお花は何本か束ねる方が扱いやすいでしょう。
また、何本か束ねるときは花同士が重ならないようにバランス良く整えてください。花同士が重なっていると傷みやすいほか、花びらに余計なキズを付けてしまうこともあるからです。
吊るして乾燥させる
お花をまとめたら風通しの良い場所に花が下向きになるように吊るします。直射日光が当たらず風通しが良い室内が理想的です。
お花の種類や季節にもよりますが、平均して1~2週間でドライフラワーになります。乾燥が進むとお花や葉が縮んで色が濃くなり、全体にカサカサ音がするくらいまで乾いたら完成です。
リボンや麻素材を使ってブーケにしたり、ほかの雑貨と組み合わせたり、好みに合わせてアレンジして飾りましょう。
まとめ
今回は、ドライフラワーに向いているお花について紹介しました。ドライフラワーはキレイなお花を長く楽しめるほか、乾燥具合によりアンティークな雰囲気を演出できるのが魅力です。
水分が少ないお花を選べば自分で作ることもできるので、お花が好きな方はもちろんプレゼントしてもらったお花や、自分で育てたお花もぜひドライフラワーにしてみてください。
乾燥中からインテリアとして楽しめるので、より長く花のある生活を満喫できますよ。
ドライフラワーを作ってみたい、気になるお花があるという方は、さっそくチャレンジしてみてくださいね。